耐熱ガラスの種類
熱に強いガラスの事を指す。
次のガラスは、フロートガラスよりも熱による耐衝撃性のあるもの。
・石英ガラス | (最高使用温度:約1,000℃) |
・耐熱結晶化ガラス | (最高使用温度:約700℃) |
・ホウケイ酸耐熱ガラス | (最高使用温度:約500℃ ※耐熱時間 10時間未満:450℃ 10時間以上:400℃) |
・耐熱強化ガラス | (最高使用温度:約781℃ ※パイロクリア。20分遮炎試験による) |
・強化ガラス | (最高使用温度:約200℃) |
etc. |
このうち、販売部で取り扱いのある、
【耐熱結晶化ガラス】 の解説を行う。
【ファイアライト】とは、国内のメーカー【日本電気硝子㈱】で製造されている耐熱ガラス。
特殊組成のガラスを再加熱し、微細結晶を均一に析出させている。
クリアタイプ(フロートの形状)と、カスミタイプ(型板の形状)の2種類のバリエーションがある。
ガラスの色味は薄いアンバー色。
ガラスの厚み・寸法
弊社在庫
厚み 5mm 寸法 1829mm× 914mm
厚み 5mm 寸法 2438mm× 914mm
厚み 5mm 寸法 2438mm×1219mm
※バリエーションはファイアライト・ネオ(クリアタイプ)。カスミタイプは在庫していない為、要相談。
※上記寸法より大きいサイズが必要な場合は、別途相談。
取り扱い有り。在庫無し。
ファイアライトの使用用途
・内装
例)炭火を用いたストーブののぞき窓
(超高温の熱源、かつ視認性を活かしたい場所に使用)
・外装
防火認定品※の為、防火設備への使用が可能。
例)網入りガラスだと網のせいで景観が良くない。
⇒ファイアライトのクリアタイプを使用することで、景観を損なわずにいられる。
※2019年より、通則認定の停止。防火設備の使用は個別認定品のみ。
(国交省の告示に基づく)
テンパックスでは耐えられない、高温を発する熱源近くへの使用が多い。
また、個別認定品となるが、防火設備への施工が可能の為、外装使用できる。
ファイアライトの耐熱性
耐熱性とは、ガラスの熱膨張係数が小さいことにより、耐熱衝撃性が高い事をいう(詳細は次ページにて)。
下記は、各ガラスの許容温度となる。
最高使用温度:700℃
常用使用温度:600℃
ガラスの熱割れ、メカニズム
ガラスのコップに熱湯をかけると割れてしまうことは、よく聞かれると思う。
これは、熱湯自体が原因ではなく、一個あるいは一枚のガラスの中に生じる熱の不均等、すなわちガラス内に発生する熱応力によるもの。
コップの例だと、右図のように熱湯を注いだ箇所(ガラスが急激に温められる)と、熱湯が触れない箇所(ガラスの温度変化がない)との温度差が生じる。
熱により膨張しようとする箇所と膨張しない箇所の力の差によって、ガラスが割れる(=熱衝撃)。
これが、ガラスの熱割れのメカニズムとなっている。
熱膨張係数が小さいほど力の差が小さくなり、ガラスの熱割れ(=熱衝撃)が起きなくなる。

耐熱強化ガラスとの違い 各ガラスとの早見表
使用温度 | 加工可否 | ガラス厚み | 寸法 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
テンパックス | 最高:500℃ 10時間以上:400℃ 10時間未満:450℃ |
小口 切り欠き 穴あけ 曲げ 強化加工※1 |
0.7~20.0mm | (5mm、8mm厚) 2300×1700 1150×850 |
・切断、加工が可能。 ・小口をむき出しにしたまま施工可能。 ・サンドブラスト不可。 ※1強化加工を施した場合、耐熱温度が落ちる(最高:290℃)。 弊社在庫 |
ファイアライト | 最高:700℃ 常用使用:600℃ |
小口 切り欠き 穴あけ |
5mm、8mm | 1829×914 2438×914 2438×1219 |
・切断・加工が可能。 ・曲げ、サンドブラスト不可。 ・FLと同程度の透明度。 ・個別認定による防火設備使用可能。 弊社在庫 |
耐熱強化 (日板:パイロクリア) |
最高:781℃ (20分の遮炎試験による) |
不可 | 4~12mm | 3000×2400 | ・切断、加工不可の為製造後の寸法変更できない。 ・個別認定による防火設備使用可能。 ・割れ方が粒状。 |
通常強化 (日板:タフライト) |
最高:200℃ | 不可 | 5~19mm | 6000×2800 | ・切断、加工不可の為製造後の寸法変更できない。 ・割れ方が粒状。 |
ファイアライト まとめ
- 耐熱性がテンパックスより高い⇒最高温度700℃まで
- フロートガラスと同じ透過性により、クリアな視界の確保。
- 切断、加工が可能。
- 個別認定による防火設備への使用可能。